データ復旧で失敗しないために
データ復旧に成功するためには
障害が発生するときは、PCからなにかしらの予兆(サイン)がある場合が多いです。予兆(サイン)に気がついたときにすかさずPC内のデータをバックアップできればよいのですが、気が付かないでトラブルに移行してしまう場合も多いようです。障害が発生しても早期ならデータを救出できたかもしれないところを、意図せずして症状を悪化させてしまうと、重度の障害ということで復旧料金がかさんでしまったり、データ復旧できなかったという残念な結果になってしまいます。では、復旧に「成功」するためには、どのようなことに留意したらいいのでしょうか。予め知っておけば、大事なデータを守ることができます。トラブルごとに、気をつけなければいけないことが違ってきますので、それぞれの状態に応じたデータ復旧「成功」のための当社からのアドバイスをまとめてみました。
症状別データ復旧率UPのための方法
PCにトラブルが発生したときは、慌てず冷静に対処しましょう。以下の表に、トラブルごとの症状と注意点を列記しました。
- PCが認識しない場合
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- 症状・操作
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- 起動してもポップアップが表示されない。
- エラーランプがついている。
- 画面が黒い画面のまま次に進まない。
- 起動してもPCやデスクトップにアイコンが表示されない
- 起動の途中で勝手に電源が落ちる。
- 注意点・アドバイス
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- 何度も電源の抜き差しをしない。
- 帯電が原因かもしれないので、放電してみる。
- 初期化(フォーマット)しない。
- RAIDのリビルド(再構築)を行わない。
- 安易に復旧ソフトを使わない。
- 変な音がする場合
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- 症状・操作
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- PCから「ウィーン」「ブーン」という音がする。
- かすかに聞こえる「カリカリ」というシーク音に加えて「ジジジ」という異音がする。
- 「ブォー」という比較的大きな音
- 「ピー」や「ピピッ」というピープ音
- 注意点・アドバイス
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- PCにこもっている熱を逃がすため、室温を下げ、扇風機でPCに風を当てる。
- PC内の埃を掃除してみる。
- PC内の部品の故障も考えてみる。
- PCを落としてしまった場合
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- 症状・操作
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- 電源が入らない。
- 起動時にロゴが表示されない。
- 起動後、勝手に再起動する。
- 電源をオフにできない。
- 注意点・アドバイス
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- 電源をいれることで症状が悪化することがあるので、電源を入れない。
- 障害レベルがあがってしまうことがあるので、この時点で、バックアップをとろうとしない。
- HDDの基板交換などを行わない
- PCが水没した場合
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- 症状・操作
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- 電源が入らない。
- 電源が入っても画面に何も映らない。
- 途中で電源が落ちてしまう。
- フリーズする。
- 注意点・アドバイス
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- 回路のショートを防ぐため、電源を切る。
- バッテリーや接続している周辺機器を外す。
- 水分を拭き取るためにPCを分解しない。
- ドライヤーで乾かさない。
- PCから異臭がする場合
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- 症状・操作
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- PCの排気口から焦げ臭い匂いがする
- 化学物質が燃えたような匂いがする。
- 電源が落ちる
- OSが起動しない
- インターネットに繋がらない
- 注意点・アドバイス
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- PC内に埃が溜まっていたら、掃除する。
- ケーブルに異常がないか確認する。
- 基板上の部品のトラブルで匂いが発生している可能性があるときは、直ちに電源を切る
- PCを冷却する。
- 慌ててデータ復旧ソフトを使わない。
- エラーメッセージが消えない場合
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- 症状・操作
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- 「フォーマットしますか」というメッセージが出る。
- 「SDカードが破損しました」というメッセージが出る。
- 「読みとれないディスクでした」というメッセージが出る。
- 黒い画面に白い文字の英字の羅列がでて、そこから動かない。
- 注意点・アドバイス
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- 電源を何度も入れ直さない
- フォーマットを行わない
- RAIDのリビルドを行わない
- システムの復元を行わない
- 誤って削除してしまった場合
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- 症状・操作
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- HDDやUSBメモリをフォーマットしてしまった。
- Time Machineをフォーマットしてしまった。
- データが入っている媒体で回復ドライブを使ってしまった。
- ゴミ箱を空にしてしまった。
- 注意点・アドバイス
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- 上書きを行わない。
- 電源のオンオフをしない。
- 復旧ソフトを安易に使わない。
- インターネットを使用しない。
確実にデータ復旧を成功させるために
- PCが起動しない場合
- PCが起動しないケースでは、経年劣化による、部品の致命的なトラブルがあり、起動しない場合や簡単な処置で直る場合があります。何が原因でPCが起動しないのか、その原因を探る必要があります。
- 1. 何も表示されない場合はPCの故障を疑ってみる。
- 2. 文字は表示されるが、OSのロゴが表示されない場合はOSの破損を疑ってみる。
- 3. OSのロゴが表示されるが、使用可能にならない場合は、ドライバの破損を疑ってみる。
- 変な音がする場合
- PCを使用していると、かすかに「カリカリ」「ジージー」という音が聞こえることがあります。これは、読み書きを行う際に聞こえるシーク音というものです。また、古いパソコンから、「ジジジ」という音が聞こえることがあります。この音は、デフラグを行うと気にならなくなる場合があります。CDやDVDを使っている時に「ブーン」という音が聞こえることがあります。これは、読み取り中にディスクが回転して出る音です。これらは、PCのトラブルにつながる音ではありません。
こんな音には要注意!
- カラカラカラ」という音は、冷却用のファンにケーブルなどが当たっている音です。「チリチリ」「ガリガリ」という音もケーブルがファンに触れている時に発せられる音です。ケーブルが断線し、故障につながるケースがあります。この音に気がついたら、ファンの近くにあるケーブルなどが、ファンに当たらないように固定するか配線を見直すなどの処置をしましょう。
- 「ブォー」という音は、冷却ファンが回る音ですが、以前よりも音が大きく感じられるようになったら要注意です。PCはいくつもの精密機器の集合体であることから、PC内が熱くなることは避けられません。冷却ファンのまわりに埃がたまると、ファンがいつもより回転数を上げ動作音がうるさく感じられます。PC内の冷却がうまくいかないと、基盤上のパーツの故障にもつながるので、PC内の埃はエアダスタースプレーなどを使いまめに取り除くようにしましょう。
- 「キュルキュル」という音は、危険な音です。HDDが読み書きが困難になったときにこんな音を出します。HDDが故障している可能性が高いですが、PC本体の故障につながる場合もあります。こんな音が聞こえたら、一刻も早く電源を切り、周辺機器も外しましょう。
- 「カコンカコン」「ギュイーンギュイーン」という音もHDDが故障している可能性が高い危険な音です。バックアップがとられていてもいなくても、HDDは交換すべきでしょう。HDDは経年劣化に耐えられません。異変に気付いた時にすぐに交換できるように、こまめなバックアップが必要です。
- 「無音」こそ、もっとも心配です。PCを使用していると、かすかな駆動音がするのが当たり前です。今まで聞こえていた駆動音が急に聞こえなくなったらまず接続を確認し、接続に問題がなければ、故障の可能性が高いです。無音になるということは大変深刻な状態です。それ以上の操作をせず、専門の業者に修理を依頼しましょう。
- PCを落としてしまった場合
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データ復旧の難易度が高い「重度の物理障害」
データ復旧が必要になるPCのトラブルは、その原因によって「論理障害」と「物理障害」の2つに分けられます。「論理障害」は、HDD本体ではなく、保存されているデータが消されてしまったり、ウィルスに感染したことで拡張子が勝手に書き換えられるなど、HDDの中のデータに障害が起こってしまった場合を指します。論理障害の場合は比較的容易にデータを取り出すことが可能です。
PCを落としてしまった場合は、HDD本体に何らかのトラブルが発生する可能性が大で、「物理障害」にカテゴライズされます。HDDはさまざまな精密部品で構成されているため、PCを高いところから落としてしまうと、「重度の物理障害」に陥っている可能性があります。
PCを落としてしまった時の故障チェック
- 電源を入れてみる
- 電源を入れても、画面が真っ暗で何も反応しない時は、液晶画面かHDDの故障を疑います。電源は入るけれどもOSが立ち上がらない時は、HDDが壊れているかもしれません。
- 別のモニターに繋いでみる
- 電源を入れても、黒い画面のまま反応しない時は、落としたパソコンを別のモニターに繋いでみます。OSが立ち上がるようであれば、液晶部分が壊れただけで、本体は壊れていません。別のモニターに繋いでも反応がなく、OSが起動しないようであれば、HDDが壊れている可能性が高いです。
- ソフトをチェック
- OSが起動したら、チェックディスクを行います。Windows10では、チェックツールを使って簡単にチェックディスクを行う方法と、コマンドプロンプトを利用してチェックディスクを実行する方法があります。コマンドプロンプトを利用する場合は、更に深いところまでチェックして修復することが可能です。Macの場合は、アプリケーションにあるディスクユーティリティの「FirstAid」を使えば、ディスクエラーをチェックして、修復してくれます。
- PCが水没した場合
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例えばPCに飲み物をこぼしてしまった場合、デスクトップPCであれば、キーボードを交換すればよいだけの話しですが、ノートPCはキーボードと本体が一つになっているため、少量の水でも故障につながることがあります。PCで作業する際にデスクに飲み物を置く場合はペットボトル等ふた付きのものにしたり、PCからある程度遠ざけておくなど、トラブルを避けるための注意が必要です。
殆どのメーカーでは、PCの水没や水濡れは、メーカー保証の対象外となっています。そのため、購入後すぐであっても、修理費用は自己負担になります。
どうしても水没が心配な方は、水没も補償の対象になり長期にわたって補償される有料補償を購入時につけておくのが良いでしょう。
水没トラブルを引き起こすシチュエーション
- ビールやコーヒー等を飲みながら自宅でやり残した仕事を片付けていた。
- ゲリラ豪雨によって道路が冠水。車内にあったPCが水没した。
- PCを入れていたバッグの中で、飲み物のフタが緩んでいた。
- PCの上で猫が粗相をした。
- 台風や豪雨で家が浸水。PCも泥水に浸かってしまった。
水没による症状は時間差で出てきます。
PCに水分をこぼしてしまったが、「少量だし、乾けばきっと大丈夫」と思っていると、その時は大丈夫でも、何日か経過したのちに、「電源が入らない。」「エラーがでて、PCが使えない。」「キーボードが使えなくなった。」などさまざまな不具合がでてくることがあります。特に不純物を含んだ水分が基板にまで入り込んでしまいますと、金属部分が腐食してしまい、修理費用も高額になります。特に、水没直後に電源が落ちた場合は危険です。
水没後すぐであれば、PC内のデータを取り出せたのに、時間をおいてしまうことで、重度の物理障害に移行してしまい、データ復旧ができなくなってしまった事例が数多くあります。水没したらすぐに電源を切り、ご相談いただくことがデータ復旧成功の秘訣です。
- PCから異臭がする場合
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どんな時にPCから匂いがするのか。
PCを使用していていつもと違うと感じたら、それが音であれ匂いであれ、PCに何か異変が起きているのではないかと疑う必要があります。PCからいつもと違う匂いがしている場合、PC内部になんらかの故障が起きている可能性があります。そのまま使い続けることで、一部の部品交換などで済むところが、重症化が進みPCが使えないようになってしまうかもしれません。異臭の多くは排熱処理がうまくいかない時に発生します。ノートPCの場合は比較的異臭に気が付きにくいため、PCが熱を帯びていると感じたら、室温を下げる、風を当てるなどして、PC内部の温度を上げてしまわないよう注意しましょう。ではPCから匂いを発するようになる原因にはどのようなものがあるのでしょうか。
- 熱が原因
- 「熱暴走」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。PC内の温度が許容範囲を超えて上がってしまい、PCに不具合を起こすことを指します。PCが熱暴走を起こすと、PCが動かなくなったり、急に電源が落ちたりします。PCを長期使用していると、内部に埃などが溜まってきます。ファンがうまく回らず、内部の冷却がうまくいかないことで、PC内部の適正温度(10~35度前後)を超えてしまい、場合によっては、プラスチックが焦げたような匂いがします。
- HDDの不具合
- PCからの異臭の発生源の一つとしてあげられるのが、HDDの不具合です。HDDの基盤部分から匂いが発生している場合は、ショートしていたり、チップが焦げている場合があります。
※ご注意下さい
HDDを取り外すことで、メーカー保証がうけられなくなる場合がありますのでご注意下さい。
- マザーボードの不具合
- マザーボードには、CPUやメモリなどのPCを動かすための主要なパーツが集積しています。そこに水分や導電性のある異物が混入してしまった場合、それが原因でショートし、パーツが破損することで、ケミカル臭と言われる化学物質を燃やしたような嫌な匂いがします。長期使用する場合は、中に溜まった埃などを取り除くことが重要です。また、マザーボードの不具合で異臭が発生する原因で多いのは、コンデンサの破裂があります。電気を一時的に蓄電するコンデンサが液漏れや破裂を起こした時に負荷がかかりすぎると、電源の安定化ができず、発火することもあります。
- 電源モジュール内のトラブル
- 電源モジュール内で使用されているコンデンサが破裂すると、破裂音と共に焦げ臭い匂いを放ちます。液漏れしただけでは特に異臭を放つことはないのですが、埃などの異物と混ざると酸っぱいような匂いがすることがあります。コンデンサが液漏れや破裂などで使えなくなると、大量の電流が流れ、それに耐えられなくなったパーツが破損します。特にチップが破損すると、強烈なケミカル臭を放ちます。
- ケーブルが断線している
- ケーブルが折れ曲がり、断線しかけると、電流がながれる際に、負荷が大きくかかります。そんな時、ケーブルが発熱し、ケーブルを覆っている被膜が溶け、嫌な匂いがすることがあります。これは、発火を引き起こす原因にもなり、大変危険です。ケーブルの同じ箇所に負荷がかからないように気をつけることや抜き差しを丁寧に行うことで、ある程度ケーブルの断線を防ぐことができます。
- グラフィックボードの不具合
- 高性能なグラフィックボードには発熱を抑えるための冷却ファンが取り付けられています。グラフィックボードに負荷がかかり冷却が追い付かない時や、冷却ファンの機能低下が起こると内部に熱が溜まり、パーツが壊れたり溶けたりし、異臭の原因になることがあるようです。
- エラーが消えない場合
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「フォーマットする必要があります。フォーマットしますか?」などというエラーメッセージが出て、PCが使えなくなってしまった経験はありますか?急にエラーメッセージが出て、PC内のファイルにアクセスできなくなってしまう原因は、フォーマット形式が判別できなくなってしまうからです。OSによって、扱えるフォーマット形式は違います。Mac OSならば「APFS」や「HFS+」というフォーマット形式、Windows OSならば、「NTFS」や「FAT32」などで設定されたディスクの読み書きができます。何らかの理由でディスクのフォーマット形式をPCが判別できなくなると、そのディスクのデータを読み込めなくなります。では、ディスクのフォーマット形式を判別できなくなるのはどうしてでしょうか。
エラーメッセージが表示される理由
- コネクターの不具合
- PC内蔵のディスクであれば、SATAやM.2スロットなどで接続され、外付けのHDDやUSBメモリなどは、USB端子で接続されますが、このコネクター(拡張スロットやUSB端子)の不具合でディスクのフォーマットが判別できなくなることがあります。
- HDDの故障
- HDDが故障したためにフォーマット形式が判別できなくなることがあります。HDDに衝撃が加わったり、経年劣化などが原因の場合が多いようです。
- 一時的な誤作動
- PCの誤作動により、エラーメッセージが出て、一時的にディスクにアクセスできなくなることがあります。
- ディスクの容量
- 沢山のデータを保存して、ディスクの容量が圧迫されてくると、不具合が起きやすくなり、フォーマットを判別できなくなりがちです。ディスクの使用割合が九割を超えると、この現象が起きやすくなるようです。
- 誤って削除してしまった場合
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大切なデータを誤って削除してしまった場合、まず、ゴミ箱の中にないかどうか確認して下さい。削除したデータは一旦ゴミ箱という仮想のフォルダに移動します。ゴミ箱にあった場合は、ゴミ箱アイコンを右クリックすると、「元に戻す」という項目があります。こちらで簡単に戻ります。けれども、ショートカットのshift+deleteで消した場合は、ゴミ箱に行かず、そのまま消えてしまいます。また、「ゴミ箱のプロパティで、ゴミ箱にファイルを移動しないで、削除と同時にファイルを消去する。」にチェツクが入っている場合や、ゴミ箱の容量を超える大きなデータを削除した場合は、ゴミ箱に入らず、データはそのまま消えてしまいます。Windows10の場合、「以前のバージョン」を使ってデータを取り戻すことができます。誤って消してしまったデータの保存先を参照します。例えばデスクトップであれば、デスクトップを右クリックして、プロパティから、「以前のバージョン」を選択します。復元したい時間を選び、「復元」でOKです。(設定により、以前のバージョンが使用できない場合もあります。)コントロールパネルから「ファイル履歴」を使用してファイルを復元する方法もあります。こういった方法でファイルを取り戻せた場合は良いのですが、復元ができなかった場合は、データ復旧の専門業者にご相談下さい。
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