初心者のためのパソコン講座
メール送受信のしくみについて
メールサーバーの役割
メールの送受信のためには、メールソフトが必要です。Outlook、WindowsMail、Thunderbird、MacMailなどがメールソフトです。メールクライアントなどとも言います。メールソフトでは、主にデータの操作を行います。アカウントを登録する、メールを送受信するなどの操作を命令としてサーバーに受け渡します。クライアントにデータを受け渡すのは、「メールサーバー」です。メールの送受信は、コンピュータ間のネットワーク上のデータ通信によって行われます。通信には規格があり、これを「通信プロトコル」と呼びます。「通信プロトコル」には、通信の規約・規律という意味があり、これによりPCなどのデバイスの機種、OSが違ってもデータのやりとりが叶います。
メール送受信のしくみ
電子メールでは、「メール送信技術」「メール配送技術」「メール受信技術」が各々確立されていることで、メール送受信の仕組みが成り立っています。
SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)
SMTPとは、メールの送信に使うプロトコルです。このプロトコルは以下の用途で使われます。
- 1パソコンのメールソフトで作ったメールを自社側のサーバーに送信する。
- 2自社側のメールサーバーが受信側のメールサーバーにメールを送信する。
一般的にSMTPのポートは、「25」を設定していましたが、最近では、セキュリティの関係で「587」を使うことが増えてきました。
POP(Post Office Protocol)
POPは、メール受信に使われるプロトコルです。メールソフトでPOPを設定した場合、メールサーバーに届いたメールがダウンロードされます。一旦ダウンロードされたメールは、メールサーバーからは削除されます。POPの長所は、メールサーバーにデータを残さないので、容量が多くならないことです。メールのデータは、端末に残るため、インターネットにつながなくてもメールの内容を確認することができます。POPで受信したメールは、端末に残る形式なので、複数のデバイスからの閲覧には不向きです。
IMAP(Internet Message Access Protocol)
IMAPは、メール受信に用いるプロトコルです。POPとよく比較されます。IMAPを設定した場合、メールサーバーに届いたメールをメールソフトがインターネットを通じて読みにいきます。POPでは端末にメールデータをダウンロードしましたが、IMAPでは端末にデータは残しません。IMAPのメリットは、PCとスマートフォンなど複数台の端末からメールを確認できることです。しかし、メールサーバーにデータが残るため、サーバーの容量が少ないと、その容量以上のメールが受け取れなくなるなどの不具合が生じます。IMAPで設定する場合は、メールサーバーの容量を確認しておくことが大事です。ポートは、「143」を使います。
DNSサーバーについて
DNS(Domain Name System)とは、ドメインのIPアドレスなどを管理しているシステムです。送信アドレス宛にメールを送ると、DNSにまず問合せ、そのドメインに紐づいたIPアドレスをとってきます。その後、自社側のメールサーバーは、受信側のアドレスにSMTP方式でメールを送ります。