パソコントラブル解消法
液晶ディスプレイのトラブル
液晶ディスプレイは、不具合が出た時に一番困る部分です。画面が消えたりついたりする、画面に縦線や横線が入るなどの不具合があると、気になって作業を続けることが難しくなります。液晶画面に何も表示されない場合は、液晶画面に問題があるか、ディスプレイに対し電源がうまく供給されていない、電源が入っていない、ケーブルが抜けているなどの可能性があります。電源やケーブルを確認し、それでも液晶ディスプレイに何も表示されない場合は、出力端子が違うか、液晶ディスプレイの故障が考えられます。
液晶ディスプレイのトラブルには、主に以下のような症状があります。それらの症状に対しどのように対処すればよいかも併せて考えていきます。
以下の解説は、わかりやすさを優先しているため、一部に厳密さに欠ける部分があります。
故障したときのディスプレイの状態
PCを使っていてディスプレイに何も映らないとなると、PCを使い続けることができなくなります。ただ単に液晶だけの問題なのか、OSやPC内部のストレージなどに問題があることでディスプレイに異常が生じているのかは切り分けて考える必要があります。ディスプレイのトラブルには以下のような症状があります。どのように対処すればいいかも併せて考えていきます。
- 画面が割れている
- ノートPCは持ち運びに便利ですが、液晶画面が割れやすい難点もあります。ノートPCの液晶は、重量軽減のために大変薄く作られています。外部からの圧力や衝撃で割れやすいです。特にUSBメモリやペンなどを挟んだまま閉じてしまい、内部から圧力がかかると簡単に割れてしまいます。局所的に強い力が一定時間加わることが液晶割れの原因です。PCは精密機器の集合体です。持ち運びの際はクッション性の高い専用のケースに入れて持ち運び、PCの扱いにも注意しましょう。勢いよく蓋を閉める、置くときも音がするくらい乱暴な置き方をするなどを繰り返すと、液晶画面も割れ易くなります。 万が一液晶が割れてしまった時は早めに修理しましょう。放置するとひび割れが広がり大変危険です。画面割れが起きているところから有害物質が漏れ出てくる危険性もあります。割れた部分は高温になりやすく、火傷するおそれもあります。液晶割れに関しては、メーカー修理でも対応していますが、物が当たったり、落下した場合は保証の対象外であることが多いようです。
- 画面に何も映らなくなる。
- ノートPCの液晶画面が真っ暗になってしまうのは、バックライト切れの可能性が高いです。検証用のモニターに映してみて問題なく映るようであれば、液晶パネルの型番を確認し、液晶パネルごと交換する修理になります。液晶パネルだけを交換できないような機種もありますので、その場合は、液晶パネルを含むPCの上半身を交換する修理になります。
- 画面に横線が入っている。
- PCの画面に横線が入り、きれいに表示されないケースがあります。画面に出た横線は放置すると症状が悪化する可能性があります。よくあるのは、線が増えていくというパターンです。増えすぎるとモニター画面が非常に見にくい状態になります。また、この症状は、PCの基盤などになんらかのトラブルがあり、それを教えてくれるサインかもしれません。PCの画面に横線が入る場合、考えられる原因は大きく分けて2つあります。1つはモニターに映像を表示するシステムになんらかの不具合があるソフトの問題。もう1つは、モニター自体や、モニターと本体を繋ぐケーブルなどのハードの問題です。
- ソフトが原因の液晶異常
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- システムが大容量のデータ処理中で画面の描画が追い付いていない
- 映像をモニターに表示するドライバが最新のバージョンにアップデートされていない。
- 長時間のPC操作のために処理能力が低下。画面の描画に回す余力がない。
- ハードが原因の液晶異常
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- モニターとPC本体を繋ぐケーブルが接触不良を起こしている。
- PCの部品が必要以上に帯電している。
- モニターの基盤のパーツに埃が溜まっている。
- ディスプレイにものを挟んでしまった
- PC内部のケーブルや回路の不具合やマザーボード、グラフィックボードの不具合
PCに横線が入る場合の対処法
- PCを再起動してみる
- ドライバーを最新のバージョンにアップデートする
- パーツに溜まった電気がエラーを起こしているかもしれないので、1~5分程度放電してみる。
- ケーブルの接続を確認する。
- リカバリ(初期化)を行う(※必ずデータのバックアップを行ってから実行して下さい。)
- BIOS画面を表示してみる。(BIOS画面で横線が出る場合は、ディスプレイかPC本体に問題が発生している可能性が高いので、修理業者に調査を依頼したほうがいいかもしれません。)
- 画面が真っ白になってしまった。
- PCを使っていたら画面が真っ白になり、操作不能になってしまうことがあります。こういった場合、外部モニターとつないでみます。画面が表示されるようでしたら、OSは正常に動いていてデータもしっかり残っている状態だと思います。ケーブルに断線がなく、接続にも異常がない時は、マザーボードの故障の可能性もあります。尚、ディスプレイの問題だけでなく、落下などで強い衝撃が加わった場合はHDDがクラッシュする可能性もありますので、データが心配な場合は、専門業者に調査を依頼してみて下さい。
- ドット落ちしている
- 液晶ディスプレイに小さな暗い点や逆に明るい点が発生する状態をドット落ち(ドット抜け、ドット欠け)などといいます。ドット落ちには輝点と黒点の2種類があります。輝点は画面全体を黒く表示してもその箇所だけ明るく光っています。黒点は、画面全体を白く表示してもその箇所だけ点状に暗い状態です。ドットとは、ディスプレイ画面で画像や文字を構成する最小単位の点のことです。文字や画像は、無数のドットの集合体です。ドット落ちが発生する主な原因には以下のようなものがあります。
- 初期不良
- 液晶は精密機器なので、微細なホコリが混入するだけでドット落ちが発生することがあります。どんなに高水準のクリーンルームで製造しても異物を完全に防ぎきることは大変難しいことなので、ドット落ちしている製品でも検品段階で一定基準以内のものは容認して出荷しています。
- 経年劣化
- PCを長期に渡って使用することで、経年劣化でドット落ちが発生することがあります。継続的に液晶ディスプレイに負荷がかかることが原因なのですが、あまり良くない材料が使われていてそれが劣化することや、微小なホコリが混入することなどがあげられます。一部の製品にはドット落ち保証がついているものもあります。
- 外部からの衝撃
- ノートPCは、持ち運ぶ際にぶつけたり落としたりして外部から衝撃を与えることでドット落ちが発生することがあります。液晶ディスプレイは圧や衝撃に弱いので、衝撃を与えたり、落とさないように注意することが重要です。
- 電源、ケーブルのトラブル
- PCと繋がっているケーブルや電源の接続状態に問題があってドット落ちを起こしている可能性もあります。ドット落ちは液晶ディスプレイ単体の原因で起こるとは限りません。ケーブルに断裂している箇所はないか、接続も併せて確認してみましょう。
ディスプレイにドット落ちが起こった時の対処法
ドット落ちは基本的に修理ができるようなトラブルではありません。基準以上のドット落ちが見つかった場合、修理に応じてくれるメーカーもありますが、ドットの部分を直すのではなく、抜けているドット数がメーカーの規定値以下の液晶と交換するだけです。修理に出したからドット落ちが全くなくなったということにはなりません。修理済み品として戻ってきたディスプレイのドット抜けがメーカーの規定値以下であった場合、再び交換に応じてもらうことはできませんし、再修理もできません。どうしてもドット落ちを避けたいときは、各メーカーのトップクラスのモデルを選ぶとよいでしょう。トップクラスのシリーズのディスプレイはドット落ちの許容量を少なく規定しており、殆どドット落ちのない液晶パネルを使って製品を組み上げています。
- 画面に色むらが出る
- きれいな色で表示されているPCのディスプレイがなぜか黄色っぽくなったり、青くなったり色むらがでることがあります。色むらがあっても、とりあえず作業はできるからと放置しておくと、画面が一切表示されなくなってしまうこともあります。色むらの原因は、液晶パネルそのものに原因があるか画面の情報を送るケーブルかどちらかに問題がある場合が多いようです。対処法には主に以下のようなものがあります。
- 夜間モードの設定がオンになっていないか確認する。
(スタート→設定→システム→夜間モードが「オフ」になっていたらOK。「オン」になっていると、画面全体がピンクがかった色になります。夜間に眠りを妨げるブルーライトをカットしたかったら「オン」にします。色味の調節は、「夜間モードの設定」にあるスライダーで調節ができます。) - PCを再起動してみる
- パーツに溜まった電気がエラーを起こしているかもしれないので、1~5分程度放電してみる。
- ケーブルの接続状態を確認する
- ドライバーを再インストールする
- 夜間モードの設定がオンになっていないか確認する。