パソコントラブル解消法
落雷によるトラブル
最近の異常気象に伴い、大気が不安定になり、竜巻や雷などが以前より増加傾向にあります。近くで雷が鳴った後に(落雷や停電がなくても)PCが起動しなくなるなどの不具合が起きることがあります。落雷による停電でHDDがダメージを受ける可能性もあります。通常の手順でシャットダウンを行わず、急に電源が切れることでHDDが損傷し、中のデータが壊れて読めなくなってしまったり、失われてしまうというケースがあります。雷が鳴った時、PCにはどのようなことが起こっているのでしょうか。落雷や雷サージがPCにもたらす影響についてご説明いたします。
以下の解説は、わかりやすさを優先しているため、一部に厳密さに欠ける部分があります。
雷サージとは
雷サージとは、落雷の際に瞬間的に異常高電圧が発生し、その影響で過大電流が流れることを言います。雷サージには、「直撃雷サージ」と「誘導雷サージ」の2種類があります。直撃雷サージとは、避雷針や電柱や電線、アンテナなどに落ちた場合、落雷時の電流が電線などを伝って建物や電気が流れるものに「直撃」することです。「誘導雷サージ」は、放電によるもので、地面や木々などに落雷したときに、その周辺にも高い電圧が発生し、近くの電柱や電線を伝って建物内に入り込むことです。落雷がなくても、雷雲が放電した高い電圧も「誘導雷サージ」です。雷サージは、電線などを伝って広範囲に影響を及ぼすこともあります。
落雷からPCを守るには
雷サージが起こると、電線を伝って異常な過大電流が建物内に侵入します。そうすると、外部と繋がっているケーブル(電話線、電線、アンテナ線など)を伝わり、PCや通信機器に過大な電流が流れ込みます。そのためPCや通信機器などが、故障してしまい、PC内のデータが消失してしまう可能性があります。雷サージから、PCを守るためには、過大電流の流入を防ぐことです。雷サージ保護付きのタップを使用すれば、過大電流をタップ内で食い止めることができます。しかし、殆どの雷サージ対応のタップは、誘導雷サージ対応のもので、直撃雷サージの場合は、保護できません。また、誘導雷サージであっても、「最大サージ電圧〇〇Vまで」と制限があり、過大すぎる電圧には、対応していない場合があります。雷サージのエネルギーは非常に大きく。PCが起動していない状態でも影響を受けます。壊れやすいのは、PC電源、ディスプレイ、グラフィックボード、ルーター、LANポートなどです。HDDは、PCの中でも外部から比較的遠い場所にあるため、データが保全されている可能性はあります。
雷サージの対応策
雷サージからPCや周辺機器を守るためには、電源を壁の電源から直接取らずに、雷サージ対応の電源タップを使えば、ある程度の誘導雷サージの被害からは免れます。(直撃雷サージの場合は、雷サージ対応電源タップの保護では対応しきれません。)雷が鳴ったら、雷サージ対応機器に頼る前に基本の雷対策を行いましょう。PCを保護するために考えられる対策には以下のようなものがあります。
- PCの電源や電源ケーブル、LANケーブルなどを外しておく。
- ディスプレイ、モデム、ルーター、プリンターなどの周辺機器の電源も切っておく。
- ネットワークディスクは、マニュアルに沿った形で適切なシャットダウンを行い、その後、電源ケーブルを外す。
- データのバックアップをとっておく。